このページでわかること
・民泊を運営して見込める収益はどれくらいか?
・民泊運営にはどんな費用がかかるのか?
民泊を開業した場合、実際どれくらい儲けられるのか気になりますよね。
民泊を始めとした宿泊事業はは基本的に最初に固定資産の取得から始まるため、投資費用がある程度かかるビジネスです。いざ開業したはいいけれど、全然集客できず利益もでない…なんてことになった場合、目も当てられません。
しかし、どれくらい集客が可能で、宿泊価格をいくらに設定して、どんな費用がかかるのか、想像がつかない方も多いと思います。
どのように運営するのか、どの程度のクオリティの宿泊施設なのか、立地はどうなのかなど、施設のあらゆる要素によって売り上げも費用も異なるところであるため、「実際に開業しないとわからない」ところではありますが、ある程度の目安を知っておきたいところです。
そこで本記事では、民泊をスタンダードに経営した場合、どのくらいの収益が見込めるのかをシミュレーションしてみました。
前提条件
民泊の運営には様々な形態があります。
・持ち家でやるか賃貸でやるか?
・管理は委託するか自分で行うか?
・委託するなら管理会社に何をどこまで依頼するのか?
・清掃業務などを外注するかしないか?
本記事では、持ち家で民泊を行い、管理は委託、清掃は外注として運営を行った場合でシミュレーションをしています。なお、この場合の「民泊」は民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく届出によって営業を行うものとします。
シミュレーション①営業日数上限(180日)で営業できた場合
民泊は年間の営業日数上限が設けられており、180日です。
実際に180日の営業を行うのは現実的ではないものの、仮に上限MAXの営業ができた場合、どれくらい利益が見込めるでしょうか。
利益は200万円強と推測
価格設定の根拠や費用の詳細については後述しますが、年間に180日の営業を行った場合、200万円ほどの利益と予想されます。
シミュレーション②120日営業できた場合
次に、営業日数上限の6割ほど、純粋な年間稼働率で見ると3割ほどにあたる120日営業できた場合のシミュレーションを見てみましょう。
利益は110万円強と推測
価格設定の根拠や費用の詳細については後述しますが、年間に120日の営業を行った場合、110万円ほどの利益と予想されます。
シミュレーション③60日営業できた場合
関東周辺の都道府県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・静岡・長野)における民泊施設の最新の平均年間営業日数は約70日です。おおよその平均日数を多少下回る60日の営業を行った場合、どのくらいの収益を望めるかを見てみましょう。
利益は50万円弱と推測
価格設定の根拠や費用の詳細については後述しますが、年間に60日の営業を行った場合、50万円ほどの利益と予想されます。
価格設定と売上の算出方法
民泊といってもその価格設定は上から下まで様々です。また、人数によって課金するのか、一泊いくらと固定額にするのかによっても異なるでしょう。
今回は家主不在型民泊で最も運用しやすい料金形態である棟貸し料金制でシミュレーションしています。
価格設定については一般的な3LDK程度の一軒家をリフォームして貸し出すものとして、
・最繁忙期でGWやお盆といった最繁忙期で6万円
・行楽シーズンの土日や春休み、夏休みで4万円
・通常の土日で3万円
・通常の平日で2万5千円
と4段階にしています。なおどの営業日数についても、一泊当たりの平均単価は3万5千円前後になるようにして、売上を算出しました。
費用の種類と算出方法
費用についても何にどれくらいお金をかけるかは運営方法や施設コンセプトによって異なるところではありますが、今回はスタンダードに運営を行うとして、一般的にかかる費用で算出を行っています。
管理委託費用
家主不在型民泊で運用する場合、住宅宿泊管理業者への管理業務の委託が必要になります。
管理業者への委託は何の業務を依頼するかによって大きく変わるところではありますが、住宅宿泊管理業者に必要な業務をまるまるお願いした場合、売上額の20%程度が管理費用としてかかることが多いようです。したがって、今回は管理委託費用を売上の20%として算出しています。
清掃、リネン、ごみ処分費
民泊施設を清潔に保つための清掃や、シーツやバスタオルの交換といったリネン業務、宿泊に伴って排出されたごみの処分は、民泊運営者の責務です。
こうした業務は自分で行うのか、業者に依頼するのかによって大きく変わるところではありますが、自分が住んでいる住宅で民泊を行うのでない限りは専門業者に依頼することとなると思います。
そこで、今回は一般的な一棟貸しや民泊の清掃代行会社に依頼した場合の価格相場をもとに、1泊1万円の清掃、リネン、ごみ処分費がかかるものとして算出しています。
消耗備品費、雑費
ティッシュやトイレットペーパー、ハンドソープやシャンプーなどの日用消耗品も民泊施設へ準備する必要があると思います。こうした消耗品や雑費などを1泊500円として算出しています。
予約サイト手数料
自社HPのみでは集客に限界があるので、じゃらんやAirbnbなどの宿泊予約サイトへの掲出も必要になると思います。
サイトによって料金形態や手数料は異なるところではありますが、一般的に売上額の約10%を手数料として引かれるサイトが多いため、予約サイト手数料を売上の10%として算出しています。
販売手数料
各種ネット決済には手数料を事業者側で負担する必要があります。クレジットカード等は3%程度であることが多いため、販売手数料を売上の3%として算出しています。
なお、OTA(予約サイト)を経由して予約を獲得した場合、クレジットカードの手数料等は予約サイトの手数料に含まれることが一般的です。
水道光熱費
水道代やガス代、電気代等のライフラインにかかる使用料も忘れてはいけません。
宿泊客の利用の仕方によって大きくかわるところではありますが、ここでは水道光熱費を売上の7%として算出しています。
保険料
物品の破損等万が一の損失に備え、民泊運営者向けの保険に入ることも検討しましょう。
保健には年間3万円~5万円程度かかるようです。ここでは保険料を年間3万円として算出しています。
固定資産税
持ち家の場合、税金として固定資産税もかかってきます。一般的な戸建て住宅の標準的に課税されている税額を固定資産税として算出しています。
利益は20%~30%程度
一般的に、貸別荘業や一棟貸し業の利益は20%~30%程度が標準とされています。
今回のシミュレーションでもおおよそこの範囲内となりました。
副業として行うのか?ビジネスとして行うのかによって、目標とする利益は異なるかと思います。価格設定や費用のコントロールで、自身の目指す利益に近づけられるよう検討していきましょう。
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