民泊・貸別荘の物件、どこに掲載する?一棟貸しにおすすめのOTA(予約サイト)まとめ

民泊・貸別荘の計画段階では、いざ開業した後にどうように集客を行うのかを検討しておくことが非常に大切です。

宿泊業を行う際に欠かせない集客ツールがOTAです。OTAとは、Online Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)のことで、じゃらんや楽天トラベルなどのオンライン上で取引を行う旅行会社(要するに予約サイト)です。

民泊や貸別荘の場合はどのような基準でOTAを選んでいけばいいのでしょうか。本記事では、OTAの選び方と民泊・貸別荘向きのOTAをピックアップしましたので、参考にしていただければ幸いです。

大手サイトに登録すればいいというものではない

ある調査では、オンラインで旅行予約をした人の中で、じゃらんまたは楽天トラベルを使ったという人は6割を超えるというデータもあります。

じゃあこれらの大手サイトに掲載すればいいじゃん!と安易に結論づけてはいけません。こうした大手サイトでは手数料が10%程度かかるのが普通であり、年間総売上がそう伸びない民泊・貸別荘事業のコストとしては見合わない可能性があります。

何より、こうした大手予約サイトでは、掲載施設の表示順位にある仕組みがあり、これらの仕組みは民泊や貸別荘などの一棟貸し事業には不利なものになっています。表示順位とは、利用者が地域や検索条件などを入れて宿が表示される順番のことで、当然ながら上位に表示される方が予約獲得可能性が高くなります。

表示順位に影響する「提供在庫」という概念

ホテルや旅館なども掲載されるじゃらんや楽天トラベルなどのOTAにおいては、表示順位の基準の一つに「提供在庫」が加味されると言われています。提供在庫とはOTAに登録した現在からある一定の期間までの販売可能室数のことで、例えば全く予約が埋まっていない状態の1棟貸しのすべての在庫をOTAに登録した場合、6カ月先までの提供在庫180となります。

一方、仮に全60部屋のホテルが同様にOTAに在庫を登録した場合、提供在庫は10800となります。つまり、ホテルや旅館には到底太刀打ちできないので、掲載しても表示順位が下の方になってしまい、予約獲得には繋がりにくくなってしまうのです。

そのため、確実な集客を図っていくためにも、掲載するOTAは検討を重ねて選定することが重要です。

OTA

OTAは通常宿泊料金に対して成果報酬型の手数料がかかります。一般的には売上の10%~15%程度の利用手数料が引かれ、残りが運営者に支払われるというシステムです。

ここからは、民泊や一棟貸しにおすすめのOTAを紹介していきたいと思います。

楽天Vacation Stay

楽天トラベル系列の楽天Vacation Stayの強みは、Vacation STAYに施設を登録、掲載するだけで楽天トラベルを始めとした提携OTAに自動配信されることです。提携サイトはBooking.comAgodaなど海外宿泊客の獲得が見込める大手OTAも含まれているので、楽天Vacation STAYへの掲載だけで効率的に集客を図ることが可能です。

初期費用・掲載料 0円
費用は予約発生時のみ一律3%(別途クレジットカード決済手数料の請求なし)

また、複数サイトへ配信されますが、施設情報から料金、在庫、予約、売上、入出金まですべての管理をVacation STAYで一元管理することが可能です。1棟貸しの場合、複数サイトに掲載しようと思うと在庫管理が難しくなるので、これもかなりのメリットだと言えるでしょう。

すべての予約は事前カード決済となるため、キャンセル料取り漏れのリスクが小さいことも特徴。利用者は日本人6割、外国人4割とバランスよくインバウンド需要を取り込める点も魅力です。

費用が予約発生時の一律3%なのも嬉しいポイント。通常クレジットカード決済手数料だけで3%程度はかかるところこの費用で済むのは施設運営者としてかなりありがたいです。

楽天Vacation Stay

Airbnb(エアービーアンドビー)

インバウンド利用をメインに見込むのが検討したいのがAirbnbです。海外で一棟貸しといえばまずこのサイト、というほどメジャーな民泊OTAです。

Airbnbはホスト(運営者)の保護にも力を入れており、ホスト保険という保険が付帯しているのも特徴的です。しかし、オーナー(物件所有者)ではなく賃貸している物件の場合には補償内容が限定される為、注意が必要です。

Airbnbの料金形態には以下の2種類があります。

パターン①:ホストとゲストで分割
ホスト手数料:3% ゲスト手数料:14%

パターン②:ホストが一括負担
ホスト手数料:14%~16%

Airbnbは専用アプリの配信なども行われているので、予約獲得には心強い存在となります。登録手続きが比較的簡単で、宿泊者のレビューが付きやすいのも特徴です。

Airbnb

STAY JAPAN

STAY JAPANはその名の通り国内の宿泊施設のみを掲載しており、民泊・農泊・貸別荘など個性的な宿泊施設が見つかる予約サイトです。

登録料や固定費はかかりません。手数料は宿泊料金に対して以下の手数料が発生します。

・自動承認(即時予約)の場合:0%
・確認してから承認(リクエスト予約)の場合:3%
※自動承認を利用した場合は、全ての利用料はかからない

体験等のオプション登録もできるようになっており、宿泊以外のサービス運用を考えている施設には利用しやすいサービスです。

STAY JAPAN

Relux

ReluxはKDDIグループの高級宿泊施設のみを取り扱う会員制宿泊予約サイトです。

「どんな未体験に泊まろう」をコンセプトとしており、掲載に至るには厳しい審査があります。その審査項目はなんと100近くにものぼるそうで、掲載したいと思っても誰でも掲載に至るわけではないのが最大の特徴です。

利用者は会員制、掲載にも審査ありということで、一見集客の難しそうなOTAではありますが、利用者目線ではその分信頼できる施設と判断され、予約を獲得しやすいかつ高単価を狙うことが可能です。

Relux

Vrbo(バーボ)

Vrboは、大手Expedia系列のOTAです。掲載施設は世界190ヵ国以上、200万件以上にも及び、Airbnbと並ぶ世界最大級のバケーションレンタルサイトです。

利用方法は少しわかりにくい点もあるものの、公式アプリの配信もされています。公式Instagramでは世界中のユニークな宿泊施設が紹介されており、施設の魅力に自信がある場合は親和性の高いサイトと言えるでしょう。

Vrbo

OTA選びは民泊や貸別荘運営上とても重要!早い段階から検討を!

以上、民泊や貸別荘の掲載に適しているOTAを紹介しました。

OTAは集客や収益にダイレクトに関わる部分になるので、どのOTAを選ぶかは営業上非常に重要な選択となります。早い段階から自分の施設にあったOTAの目途を付けておき、スムーズに掲載を開始できるとよいでしょう。

コメント