このページでわかること
・民泊事業を始めようと思った際、初期投資は合計どれくらいかかる?
・初期費用の内訳は?
民泊の開業を検討する際、最初に初期投資としてかかる費用はどれくらいなのか気になりますよね。
民泊は賃貸物件でも営業が可能なため、初期投資を最小限に済まそうと考えるのであれば賃貸物件で行う方法が最もリーズナブルです。
しかし、民泊は「転貸」にあたり、賃貸物件では転貸や民泊事業等の営業を認めていない場合も多いため、適当な物件を見つけるのが困難です。
また、どうせなら自分の持ち家(資産)を取得して運用していきたいと考える方も多いのではないかと思います。
現在全国では高齢化や人口構造の変化に伴う空き家の増加の問題が顕在化している自治体が増えています。こうした空き家を安く購入して最小限のリフォームを行い、民泊としての営業を計画している方もいますよね。
そこで、空き家一戸建てを購入取得してリフォームを行う場合、開業までにいくらの費用がかかるのかをシミュレーションしたいと思います。
前提条件
民泊の運営方法には様々な形態があります。
・管理業務を委託するか自分で行うか?
・委託するなら管理会社に何をどこまで依頼するのか?
・清掃業務などを外注するかしないか?
こうした各種運営業務を業者へ外注するのかしないのかといった点でも、契約料の有無が異なってきますので初期費用の面は変わってくるところです。
今回は、空き家を取得して民泊として営業できる建物にする、という状態に仕上げるまでの費用で算出しています。したがって、こうした各種契約料等は別途かかるものとして参考にしてください。
なお、この場合の「民泊」は民泊新法(住宅宿泊事業法)に基づく届出によって営業を行うものとします。
物件を取得した場合約700万円の初期投資が見込まれる
物件の取得にいくらかけるのか、リフォームをどの程度行うのかによって大きく変わるのが正直なところです。しかしそんなことをいっては何の参考にもなりませんので、今回は空き家を安めに買い取って最低限のリフォームを行い開業を目指す場合の予想費用としてみました。
それでは各費用を詳しく見ていきましょう。
物件購入費用
物件は空き家バンクの掲載物件などを見ると安めの住宅が見つかることがあります。
安い家だと150万円程度~売りに出されているものがあります。今回は200万円の戸建てを購入するものとして算出しています。
物件の取得には各種手数料や税金などがかかります。物件購入費の6%~7%程度を見積もっておくとよいでしょう。
リフォーム費用
リフォームは取得時点の住宅の状態や築年数、どの程度仕上げるのか、間取りなどの変更もするのかなどによってかなり金額が上下するところです。
全面リフォームを行う場合、1000万円単位の金額がかかってきます。しかし、民泊営業のためにこの莫大な初期投資をかけるのは現実的ではありません。
必要最低限の内装リフォームを行うものとして、今回は300万円で算出しています。
安全措置・消防法対応費用
民泊の届出申請を行う物件は安全上の要件を満たす必要があります。現時点でこの要件を満たしていない場合、工事して届出要件を満たす必要があります。
また、民泊の届出申請には消防署の検査を受けて消防法令適合通知書という書類を取得して添付する必要があります。この際、火災報知器などが設置されている必要があり、現時点でついていない場合は新たに設置する必要があります。
こうした各種届出要件の対応費用として、30万円で算出してます。
リモート鍵装置設置費用
民泊をどのように運営管理していくかによって要不要は変わりますが、家主不在型の民泊を営業する場合、鍵の受け渡しについても考えていく必要があります。
今回は現地で鍵のやりとりが不要な状態を導入するため、リモート鍵の設置を行うものとし、工事費用として10万円を算出してます。
内部家具家電
宿泊者ができるだけ快適に滞在を行えるよう、生活備品を揃えなければなりません。
詳細な費目は上記画像にて確認いただければと思いますが、家具家電や備品を揃え、全体で135万円ほどの購入費用として算出しています。
行政書士申請代行費用
民泊の届出申請は自分で行うことも可能ですが、書類の作成や調達にやや複雑な点もあり、行政書士への申請代行の依頼を検討する場合もあると思います。
もし民泊の届出申請を行政書士に委託する場合、20万円~30万円ほどが相場と言われています。そこで今回は30万円の費用を算出しています。
なお、民泊の届出申請自体には申請手数料等はかかりません。
まとめ:それなりにお金がかかる!
民泊の開業にかかる初期投資について解説しました。
「思ったよりもお金がかかるな…」と感じる方もいるかと思います。宿泊事業は固定資産の取得がまず初めにきますので、初期投資はそれなりに覚悟しなければなりません。
長く安定営業して着実に利益を出すことを考えながら、慎重に検討していきましょう。
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