このページでわかること
・民泊の運営にかかるコスト一覧と目安費用
・ランニングコストを削減するコツ
民泊を計画する上で、開業後に何の費用がどれくらいかかるのか、ランニングコストをできるだけ詳細に把握しておくことが重要です。
折角投資費用をかけて開業したのに、運営しているうちに思わぬ費用がかかってしまって「想像以上に利益が出ない…」なんてことになったらショックですよね。また、運営業務を外注業者に依頼する場合は、開業前にどんな支出がかかるのか全体概要を知っておかなければ適切に費用コントロールできません。
そこで、民泊の運営に一体どれくらいの費用がかかってくるのか、ランニングコストをまとめました。
民泊の運営費用一覧
住宅宿泊事業法に基づく民泊として営業する場合は、以下のような費用が見込まれます。目安費用も記載しましたが、物件所在地域や利用状況によるところもあるのであくまで参考程度としてください。
費目 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
管理委託費 | 住宅宿泊管理業者への委託費用 | 売上の20% |
清掃費用 | 利用後の室内清掃外注費 | 1泊1万円 |
ごみ処分費用 | 事業ごみ処分費 | 1泊1,000円 |
リネン費用 | シーツやバスタオルのクリーニング費 | 1泊5,000円 |
アメニティ費用 | 歯ブラシ、綿棒、ボディタオルなど | 1泊500円 |
消耗品費 | 石鹸類、トイレットペーパー、ティッシュなど | 1泊500円 |
OTA手数料 | 予約サイトの利用手数料 | 売上の12% |
水光熱費 | 電気代、水道代、ガス料金 | 売上の5% |
保険料 | 民泊保険に加入した場合の保険料 | 年間5万円 |
固定資産税 | 所有物件の場合の税金 | 年間10万円 |
1つずつ詳しく見ていきましょう。
管理委託費
一定規模以上の住宅で民泊を営業する場合や、家主不在型の民泊として営業する場合には、基本的に住宅宿泊管理業者に管理業務を委託することが必要とされています。
住宅宿泊管理業者に業務を依頼する場合、手数料として売上の15%~20%程度とランニングコストの中でも大きな割合を占める費用になります。
業者によっては必要な業務のみを外注し、トータルコストを抑えることができる仕組みの管理業者もあります。また、この費用を抑えるために可能であれば家主居住型民泊での運営も検討するとよいでしょう。
いずれにしても自分の手間負担は大きくなります。住宅宿泊事業法や民泊についてきちんと知識を持って運営することが経費削減のコツです。
清掃費用
清掃費用を完全外注した場合、正直費用はピンキリとなりますが戸建て・3LDK程度の規模の清掃を依頼しようと思うと、1回あたり10,000円前後~はかかることが通常です。
物件の広さ等にもよりますので一概には言えませんが、清掃クオリティは口コミに大きく影響しますので安かろう悪かろうにするべき費用ではないでしょう。複数業者に相見積もりを取って信用できる業者に依頼することが大切です。
費用を抑えたい場合、自分で清掃をできる状況にある場合は基本的な清掃は自分で行い、定期的に業者清掃を入れて清潔感を維持していくという方法もあります。自分が物件の近くに住んでいてどれだけその業務に時間をかけられるかなど、精査が必要です。
ごみ処分費用
たとえ自分で居住している物件であっても、民泊営業で発生したごみは事業上のごみという取り扱いになるので、一般ごみとは分けて排出する必要のある自治体が多いです。
この辺のルールやゴミの出し方・費用などの運用は自治体によって様々です。一度行政の担当部署などに問い合わせてみるとよいでしょう。
また、クリーニング業者に依頼すると一括で請け負ってくれる場合もあります。
リネン費用
ホテルや旅館のバスタオルやシーツって真っ白でふわふわで気持ちいいですよね。一般的に宿泊施設ではシーツやバスタオルなどはリネンサプライ業者などにクリーニングを依頼しています。宿泊施設として室内備品のクオリティをあげたい場合は、こうした業者に委託するのも1つの方法です。
クリーニング業者によってはまとめて一緒に対応してくれる場合もありますので、一度相談してみてもいいでしょう。
アメニティ費用
民泊をどのようなコンセプトで運営するかにもよりますが、宿泊施設として最低限歯ブラシや綿棒、ヘアブラシ、カミソリなどのアメニティは用意できるといいでしょう。
価格グレードによってはボディタオルやスリッパ、化粧品なども置いてあると利用者の満足度に繋がります。ホテルアメニティの卸業者などからネット通販等で仕入れるのが最も簡便で安価な方法です。
消耗品費
ティッシュやトイレットペーパー、シャンプーやハンドソープなどにも費用がかかることを忘れてはいけません。
住宅規模が大きいと宿泊人数も増えるため、消耗品を安めに揃える方法を考えておくとよいでしょう。前項のホテルアメニティの卸業者の中にはこうした消耗品を一緒に取り扱っている業者も多いので、消耗品込みであたりをつけておくのも1つの方法です。
OTA(予約サイト)手数料
民泊の場合、自社サイトのみで満足いく集客を図れるケースはまれで、通常はじゃらんや楽天トラベルといったOTA(Online Travel Agent=予約サイト)頼みに予約獲得をしていくことになります。
民泊の場合はホテルや旅館が多く取り扱われているOTAに掲載するよりも、民泊や貸別荘などに特化したOTAを利用した方が集客しやすいケースが多いです。こうしたOTAの利用手数料として売上の10%~15%程度を見込みます。
水光熱費
電気代、水道代、ガス料金等のライフライン利用にかかる水道光熱費です。
水道は、物件が上水道なのか、井戸なのかによって水道代金がかかる・かからないが変わります。下水道が整備されておらず浄化槽の場合、浄化槽の汲み取りや点検の費用がかかってきます。ガスは都市ガスかプロパンガスかによって費用が大きく変わるところです。
ライフラインの整備状況によっても大きく変動し、また宿泊者の利用状況によっても左右される、最も振れ幅のある費用です。自分でコントロールできないのが難点のため、他の経費で余裕を見ておき、水光熱費の増減に振り回されないような収支計画を立てておくと安心です。
保険料
民泊として運営する場合、一般住宅用の火災保険は営業上の損害は補償対象外となるため、民泊専用の保険に加入しておくと安心です。
保険料は年間で5万~10万程度に設定してる保険会社が多いです。
固定資産税
所有物件の場合、税金として固定資産税がかかります。固定資産税は毎年1月1日時点の土地や建物の所有者に課される税金で、一般的な戸建て物件で年間10万~20万程度は見ておく必要があります。
所有物件ではなく賃貸物件で民泊を行う場合は、こうした税金はかからないものの賃料が載ってくることになります。
トータルの費用感を把握して効率的な運営を!
以上、民泊運営に必要な費用まとめでした。
思った以上に色んな費用がかかるという印象を受けた方もいるのではないでしょうか。外注業務は民泊開業前に業者選定を行う必要がありますが、その際にはこうした全体の費用感を把握しておくと、どこに予算をかけられるのか、逆にどの費用は削減すべきなのかを適切にコントロールしやすくなるので班いかと思います。
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