固定資産税っていくらくらいかかる?基準になる固定資産税評価額の具体的な算出方法も解説

このページでわかること
・固定資産税の計算方法
・固定資産税評価額と4つの土地の価格
・具体的な計算例

物件選定の際や収支計画作成の際に忘れてはならないのが固定資産税。固定資産税は土地や建物の所有者に課税される地方税で、一般的な戸建て住宅の固定資産税は年間平均10万円~15万円と言われており、決して安くない額です。建物および土地にかかってきますので、軽視できないですよね。

そんな固定資産税は毎年1月1日時点の土地・建物の所有者に納税義務が課されます。そのため、売買時には買主が年間の月割り分を購入代金と合わせて売主へ支払うケースが多いようです。

固定資産税の計算方法

固定資産税の税率は課税標準額(固定資産税評価額)の1.4%です。なお大体この税率ですが、自治体により異なります。

参考:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)/東京都主税局

土地の固定資産税評価額

土地の課税標準額(固定資産税評価額)は実際の購入額の約7割と言われています。固定資産税評価額は、総理大臣が定める固定資産評価基準に則り各市区町村(東京都23区の場合は都)が算定し、3年に1度見直されています。

土地の価格には4種類ある

実は土地の価格には4種類の価格があります。実際に取引された価格である実勢価に加え、公示地価基準地価路線価という3つの価格があり、それぞれ異なった意味合いを持っています。

公示地価

公示地価は国が主体となって調査を行い、地域毎の標準地を選定しその土地の取引に対して指標を与えることや、不動産鑑定の規準とすることを目的として、毎年1月1日時点の地価を3月下旬に公表される価格です。

選定される標準は、都市計画区域内、または都市計画域外でも土地取引がある程度見込まれる区域とされます。

公示地価は不動産情報ライブラリで検索することが可能で、固定資産税評価額は公示地価の7割に調整されています。

基準地価

基準地価は公示地価と同じく公的な土地評価としての意味合いを持ちますが、調査主体は都道府県です。毎年7月1日時点の地価が9月下旬に公表されます。算出方法も公示地価とほとんど同様とされていますが、基準地点には都市計画区域外も含まれる点が大きな違いです。

基準地価も公示地価同様不動産情報ライブラリで検索することが可能です。

路線価

路線価は国税庁が調査主体となって算出する土地評価額で、相続税や贈与税の算出の際の基準となります。主要な道路に面した土地の毎年1月1日時点の評価額が7月ごろに発表されます。

路線価は公示地価のおおよそ8割程度の金額になるとされています。路線数は国税庁の路線価図・評価倍率表で調べることが可能です。

建物(家屋)の固定資産税評価額

建物(家屋)の固定資産税評価額は、「再建築価格×経年減点補正率」で算出されます。

再建築価格は、新たにその建物を再度建てようとした際にかかる建設費です。建物の場合は年数と共に減耗し資産価値も減っていくため、経年減点補正率を用いて減額します。新築の場合、建築費の約60%程度が評価額になると言われています。

固定資産税の算出例

それでは千葉地方法務局の新築建物課税標準価格認定基準表・経年減価補正率表を使って、千葉県で物件を購入した場合の固定資産税額を求めてみたいと思います。

戸建て住宅の場合

例えば千葉県千葉市で家屋面積120㎡、敷地面積180㎡、築20年の中古戸建住宅を購入したとします。

土地の固定資産税

千葉県千葉市の地価公示価格を調べてみましょう。地点によって様々ですが、例えば150,000円/㎡の土地を購入したとします。

固定資産税評価額はこの7割とされますので、105,000円×180㎡=18,900,000円です。

住宅用地の場合、特例による軽減措置が適用されます。敷地面積が200㎡以下のものを「小規模住宅用地」といい、固定資産税が6分の1に減額されます。

よって、課税標準は3,150,000円となります。ここに千葉県千葉市の固定資産税の税率1.4%をかけ、44,100円と算出されます。

建物の固定資産税

新築建物課税標準価格認定基準表より、居宅の新築時の課税標準価格は9,720,000円と求められます。

ここに築20年に該当する経年原価補正率0.26をかけると、2,527,200円です。これが課税標準です。

千葉県千葉市の固定資産税の税率は1.4%です。よって35,381円と算出されます。

マンションの場合

例えば千葉県千葉市で占有面積100㎡、敷地持分面積30㎡、築20年の中古マンションの一室を購入したとします。

土地の固定資産税

例えば300,000円/㎡の地点であったとすると、固定資産税評価額はこの7割の210,000円×30㎡=6,300,000円です。

ここに住宅用地の軽減措置を適用し、1,050,000円が課税標準となります。ここに千葉県千葉市の固定資産税率1.4%をけけ、14,700円と算出されます。

建物の固定資産税

新築建物課税標準価格認定基準表より、RC造(鉄筋コンクリート造)・共同住宅の新築時の課税標準価格は13,000,000円と求められます。

ここに築20年に該当する経年原価補正率0.5013をかけると、6,516,900円です。これが課税標準です。

千葉県千葉市の固定資産税の税率は1.4%です。よって91,237円と算出されます。

固定資産税には免税点がある

固定資産税には免税点があります。免税点とは、一定金額に満たなければ課税しないとする、その金額のことです。

固定資産税の場合、同一名義人が所有する土地・家屋・償却資産について、課税標準額の合計額の免税点は【土地30万円】【家屋20万円】【償却資産150万円】とされており、保有資産の合算でこの金額未満であれば課税されません。

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