【建築基準法】特定行政庁とはつまりどんな機関なの?建築主事は何?

このページでわかること
・特定行政庁って一体なに?
・建築主事って一体なに?
・限定特定行政庁とは?

民泊や貸別荘の物件探しでは、都市計画法や建築基準法といった建物に関する法律が絡んできます。

建築基準法に関する規制を調べていくと「特定行政庁」のワードをよく見かけます。耳馴染みのない言葉のため、ぱっと見で一体どういう機関なのかわかりづらいです。このページでは特定行政庁についてまとめています。

特定行政庁とは

特定行政庁は、建築基準法第二条で以下のように定義されています。

三十五 特定行政庁 この法律の規定により建築主事又は建築副主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。

建築基準法 第二条

要するに、建築主事を置く地方公共団体の長のことを言います。はい、わかり辛いですよね。もっとざっくりいうと、特定行政庁は都道府県知事市町村長の2パターンです。

まず、建築主事とは建築確認申請や完了検査などの審査を行う機関のことで、人口25万人以上の市は建築主事を置くことが義務付けられています。また、それ以外の市町村でも建築主事を置くことができるとされています。

第四条 政令で指定する人口二十五万以上の市は、その長の指揮監督の下に、第六条第一項の規定による確認に関する事務その他のこの法律の規定により建築主事の権限に属するものとされている事務(以下この条において「確認等事務」という。)をつかさどらせるために、建築主事を置かなければならない。

建築基準法 第四条

建築確認申請とは、建築物が建築基準法や自治体の条例などの法令に適合しているかを審査するプロセスのことです。建築確認申請は住宅を建築する際には大体は必要になります。

つまり、建物を建てる際に色々と審査する人たちが建築主事ということになります。家を建てる際にはこの人たちがとのやり取りが非常に重要になるというわけですね(実際にやり取りするのは建築士や設計士と呼ばれる専門家になります)。

こうした建築主事の置かれた市町村については、その市町村長が「特定行政庁」です。人口25万人以上の市町村については、確実に市町村長がこの役割を担っています。

建築主事が置かれていない市町村については都道府県知事が「特定行政庁」です。こうした市町村については都道府県の建築主事が建築確認申請の審査などを担います。

自分が住んでいる地域の特定行政庁がどこなのかは、都道府県名+特定行政庁で検索するとすぐに調べることができます。

特定行政庁は何ができる?

では、特定行政庁はいったい何をする機関なのでしょうか。

建築確認申請に基づく建築確認のほか、建築基準法に基づく違反建築物への是正命令、既存不適格建築物に対する是正命令、道路の位置指定などなど、いわゆる建築行政全般を担っている行政機関というところになります。

例えば、防火地域、準防火地域に次ぐ区域である「法22条区域」の指定も特定行政庁が行うとされています。建築物に関する最終権限を持っており、それに伴うことは大概行っていると思っていいでしょう。

具体的には役所の「建築住宅課」とか「建築指導課」といった名前の部署がこの特定行政庁として機能しています。

限定特定行政庁とは

ちなみに、各都道府県の特定行政庁一覧などを見ていると「限定特定行政庁」という機関もあります。

これは、建築主事がいないため都道府県が特定行政庁である市町村について、都道府県の事務負担軽減のために、一部業務についての権限を市町村に委譲している場合が該当します。

具体的には「土木事務所」と呼ばれる機関が複数市町村の建築行政を担当しており、小規模建築物の確認申請といった一部業務については市町村の「建築住宅課」などが担当しているという図式になります。

根拠法令

根拠法令:建築基準法

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