
このページでは、「開発行為とは何か?」「民泊や貸別荘の開業にどう関係してくる?」「都道府県の上乗せ条例(規制強化」について解説します。
民泊や貸別荘の開業を計画する際、中古物件を取得したり、場合によっては更地や一度取り壊しをして建物を新築することもあると思います。山林物件などを取得する場合は新たな設備やコンテナなどを置くために山を切り崩して…なんてことも考えるかもしれませんね。
しかし、そうした行為は内容によっては「開発行為」にあたり、場合によっては都市計画法上の「開発許可」を取得する必要が出てきます。

都市計画法上の開発行為って?

この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。
都市計画法 第四条
都市計画法において、開発行為とは上記のように定義されています。つまり、「建物」や「特定工作物(コンクリートプラント=コンクリート製造装置のことやゴルフコースなど)」を建設するために、道路を作るなどで土地の区画を変更したり、盛土や切土で土地の形状を変更したり、宅地以外の土地(農地・山林など)を宅地にするなどの行為を行うことを「開発行為」と呼びます。
開発というと、大手の不動産会社なんかが都市開発を行うかのようなイメージを抱くかと思いますが、普通に家を建てるために地ならしをする行為なんかが該当する場合もあり、意外と法律上の定義の解釈は広いです。
開発行為を行う場合は開発許可が必要
開発行為を行う場合、「開発許可」という許認可をもって初めてその行為の実施が可能になります。これに関わる許可要件はかなり膨大かつ専門的になるのでここでは省略しますが、まず開発許可が必要になるかどうかの基準として、開発を行う区域の面積が判断基準になります。
この対象規模面積は都市計画法上の都市計画区域によって異なります。面積としては以下の表のようになっています。
| 区域区分 | 規制面積 | |
|---|---|---|
| 都市計画区域内 | 市街化区域 | 1,000㎡ |
| 市街化調整区域 | 原則すべての開発行為 | |
| 非線引き区域 | 3,000㎡ | |
| 準都市計画区域 | 3,000㎡ | |
| 都市計画区域外 | 10,000㎡ | |
開発行為を規制するのは「都市計画法」だけじゃない
ここで注意すべきこととして、都市計画法のほか、各自治体の条例や指導要綱によってその開発行為の規制が厳しくなっている場合があることが挙げられます。
例えば、都市計画法上の都市計画区域外であれば、10,000㎡未満の土地であれば開発許可の取得が必要ありません。しかし、条例で規制が厳しくなっていると、たとえ10,000㎡未満の土地であっても自治体の開発許可を取得しなければならないケースがあります。
開発許可を取得するとなると、その申請や行政との協議に想定外の時間がかかる場合があります。また、許可基準を満たすために追加の工事が発生すると莫大な工事費用がかかったり、土地の状態によってはそもそも開発許可を取得すること自体が困難であるという可能性すらあります。

民泊や貸別荘の場合、中古物件を取得することが多かったり、新築する場合でも面積が開発許可が必要なほど広くはないことが多いので、そこまで問題となることはありませんが、例えばキャンプ場やグランピング場といったビジネスを始める場合には要注意となります。
ここからは、「各都道府県の開発行為の規制条例(関東版)」を調べてみましたので、参考にしてください。なお、都道府県の条例では上乗せ(規制強化)されていなくても、実際には市区町村の条例で規制強化されているケースが多いことにご留意ください。
関東の都道府県の開発行為に関する上乗せ条例の例
例えば茨城県では「茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱」が制定されており、都市計画法上は「建築物の建築又は特定工作物の建設を目的として行う」土地の区画形質の変更が規制対象の行為でしたが、茨城県内の一部市町村については建築物の建築を目的としなくてもこちらの指導要綱の技術基準を満たす必要がある、とされています。
稲敷市、美浦村、阿見町、河内町、利根町においては、建築物を建築しない場合においても、1ヘクタール以上の一団の土地開発事業、若しくは1ヘクタール又は20,000立方メートル以上の土採取を行おうとする場合は、原則として「茨城県土地開発事業の適正化に関する指導要綱」に基づく設計承認が必要になります。
茨城県HP「宅地開発・土地開発関係」
ちなみに、「指導要綱」とは、条例と異なりあくまで行政機関の内部規則のため法的強制力はありません。ただし、指導要綱に沿った計画でなければ協議が進まないなど、事実上の拘束力を持っています。
また、千葉県では「宅地開発基準に関する条例」があります。
この条例の規定は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第2項に規定する都市計画区域及び準都市計画区域以外の地域において行われる0.5ヘクタール(次の表の上欄に掲げる市町村の区域にあつては、それぞれ当該下欄に定める面積)以上1ヘクタール未満の一団の土地に係る宅地開発事業…(以下略)
千葉県HP 宅地開発基準に関する条例
都市計画区域外であれば通常10,000㎡~開発許可となるところ、条例により5,000㎡(一部市町村は更に狭い面積)から開発行為として満たすべき技術基準等が定められています。通常であれば規制がそこまで厳しくないとされる都市計画区域外ですが、千葉県の場合には条例で規制強化されているので要注意です。

実際には都道府県の条例ではなく市区町村の条例で規制強化されていることが多いので、ここでは一例の紹介で留めさせていただきます。
KC行政書士事務所では、民泊や貸別荘開業の際に必要な法規制の調査や関連許認可の取得もサポートしております。お気軽にご相談ください。



