民泊・貸別荘の事業計画では最低限何を考えておくべき?事業計画の作り方を徹底解説!

このページでわかること
・事業計画の必要性
・事業計画の作り方

皆さんは何か新しいことを始めようとする際、きちんと計画を立てるタイプですか?

私はどちらかというと行き当たりばったりに進めてしまうタイプなのですが、事業を始める、となるとそうはいきませんよね。

民泊や貸別荘を企画する際、あんなものを取り入れたら楽しいだろうな、こうやってお客さんを呼んで楽しんでもらって…とあれこれ想像する時間は楽しいですが、理想を考えるだけではなく数字や文章に起こして「事業計画」を立てないことには何も始められません。

仮に1人で事業を進めるとしても、資金調達、物件の取得や協力業者との打ち合わせ、お客さんへのアプローチなど、あらゆる場面で事業計画は肝になります。理想を語ることは誰にでもできますが、きちんと利益を生み出すまでの過程を自分の言葉で他人に伝えられなければ、協力してくれる人を見つけ出すことは難しいでしょう。

そこでこの記事では、民泊や貸別荘を始める際に最低限考えておきたい「事業計画」の作り方を1から解説しています。

事業計画とは

事業計画というと難しいビジネスの話に聞こえてしまいますが、そんなに固く考える必要はありません。例えば旅行を計画する際、旅行の目的や予算、何にお金をかけるのか、交通手段をどうするのか、出発から帰宅までのあれこれを考えますよね。事業計画も同じです。

そもそも何のために事業計画は必要なの?

事業計画を立てる際はその目的を意識しながら考えることが大事です。目的がぶれてしまうと適切な事業計画とはなりません。目的とは「誰のために・何のために」です。

個人でビジネスを始める際の事業計画は自分のために考えるものであることを強く意識しましょう。よく新しいビジネスを始めるときに「事業計画書」を書くのが重要だ!と聞くのですが、事業計画を立てることと事業計画書を作成することは全くの別物です。

事業計画書として文書化することには、自分ではなく第3者にその事業の有用性を伝えるという明確な目的があるはずです。それが融資を受ける事なのか、出資してもらうことなのか、補助金を申請することなのか、その目的に応じてある程度都合の良いような書き方をしなければなりません。そこには多分に理想が含まれるでしょう。

自分のために考える事業計画は現実主義で

しかし、自分のために考える事業計画に理想は一切不要です。どれだけ情報収集をして現実に即して具体的なことを考えるかが大切です。なぜならそうしておくことで、計画通りに進まなくなった時の軌道修正ができるからです。

例えば東京から大阪に旅するとして、飛行機で行くのか新幹線で行くのか夜行バスで行くのかといった移動手段を計画する際には、料金や移動時間、宿泊地までの移動距離など、いろんな要素を検討してから交通手段を決定しますよね。色々計画して飛行機を予約したけれど、出発前日に天候の影響で欠航になってしまった…なんてトラブルが発生したら、元々検討していたことをもとにまた改めて新幹線にするのか夜行バスにするのかといった移動手段の変更を考える必要があります。

その際にもし事前に色んな下調べをし検討を重ねた上で飛行機を選んでいたのなら、スムーズに代替案を選択できるのではないでしょうか。

事業計画も同じです。いくら綿密に計画を立てていたって、計画通りに事が運ぶなんてことはまずありません。しかし、事業計画を立てるうちに、必要な情報が蓄積され意思決定の軸が形成されていくはずです。計画が思うように進まないとき、適切な選択をしていけるはずです。軌道修正を図るのは他の誰でもなく自分です。つまり事業計画は、自分のために考えるものなのです。

では何を事業計画として考えればいいの?

民泊や貸別荘を計画する際には、まずは以下のことを考えていきましょう。

STEP1:資金計画

①初期投資としていくらくらいまでかけることができるのか。
②年間にどれだけの利益を上げる必要があるのか。
③いつから売上を作る必要があるのか。

まず考えなければならないのはお金に関することです。

初期投資としていくらくらいまでかけることができるのか。

まずは施設を完成させるというところに辿り着かなければ売り上げが発生しません。そこまでで最も重要になるのは初期投資にかけられる費用です。

民泊や貸別荘を始めとする宿泊業は資産の取得から開始する事業のため、ある程度初期投資が多くかかるということを見込んでおかなければなりません。中古の不動産を取得してリフォームするという場合も、大抵想定外の工事代金などがかかって「こんなにお金がかかると思ってなかった…」なんてことはざらにあるでしょう。

そのため、初期投資はある程度余裕を見て見積もっておく必要があります。

全額自己資金で賄うのか、融資を受けるのかといったこともきちんと考えておきましょう。

年間にどれだけの利益を上げる必要があるのか。

法人で運営するのか、個人で始めるのか、個人なら副業としてなのか、ゆくゆくはメインの収入柱にしたいと考えているのかによって目指す利益は大きく異なります。まずは自分にとってどれだけの収入があればいいのかを明確にしましょう。

民泊や貸別荘の運営は、やり方によって大きく利益率を変えられる事業です。しかし、一般的な運営方法を取った場合、及第点の利益率は20%~30%と言われています。意外と利益率が低いと感じたのではないでしょうか。

いつから売上を作る必要があるのか

民泊や貸別荘の開業には各種届出・許認可が関わってくるため、さぁ開業しよう!と思って明日から始められるものではありません。いつから事業を始めたいのかを資金面から明確にしておくと、開業のスケジュールの逆算にも役立つでしょう。

お金のことを考えたら、いよいよ事業の具体的計画に入りましょう。

STEP2:ターゲティング

事業計画の要は、誰に」「何の価値を提供するのかを考える事です。いわゆるターゲット層は誰なのかを計画することです。

まずはざっくりとしたターゲット層を考え、そこから具体的に掘り下げていくと考えやすいでしょう。

宿泊客はどんな人?

友達同士の旅行なのか、若いカップルの旅行なのか、ファミリー層の家族旅行なのか、定年を迎えた夫婦なのか。インバウンドを狙って外国人旅行客を狙うのか、それならどこの国の人たちに向けるのか。

宿泊客の目的は?

宿泊客の目的はグループでわいわい楽しむことなのか、のんびりくつろぐことなのか、ただ寝泊まりするだけの施設なのか、ある程度そこでも楽しめるレジャー性を取り入れるのか。

宿泊客の移動手段は?

宿泊する人は電車やバスなどの公共交通機関を使う人なのか、自家用車で移動する人なのか。

予約の獲得方法は?

最も大事なのは狙ったターゲットの宿泊客が予約をするということです。そのお客さんはどうやって自分の施設の予約ページに辿り着くのか、どんなことを軸に宿泊先を決めるのか?

STEP3:立地計画

ターゲットが決まったら、どこに開業したいのかを考えましょう。都道府県や周辺環境、交通手段のことを総合的に考えて計画しましょう。

STEP4:施設計画

ターゲット層や開業場所の候補が決まれば、施設の計画が立てられるようになります。部屋はどれくらい必要か?どの部分にこだわった施設にしたいのか?宿泊以外に提供したい付加価値はあるか?など、具体的な施設サービスを想像して計画しましょう。

STEP5:許認可調査

ここまでの計画が立てられれば、自分の事業計画にはどんな許認可が必要なのかが調べられるようになるでしょう。STEP4で考えた付加サービスにも意外な許可や届出が必要なケースは多々あります。

STEP6:スケジュール計画

STEP5までの事業計画をもって、開業までにどれくらいの期間がかかるのかを整理しましょう。

さぁ、ここまで一通りのことをリサーチして考えられたら、事業計画としては上出来です。あとは計画を進めていくうえでブラッシュアップを繰り返しながら、開業を目指していきましょう。

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