民泊や貸別荘の開業のために検討している物件において、浄化槽の交換や新設が必要になる場合があります。
具体的には汲み取り式トイレや単独浄化槽を廃止して合併浄化槽にする場合や、現状の浄化槽では処理人数が少ないためより大きな浄化槽に入れ替える場合などです。
浄化槽の入れ替え工事をする際には、浄化槽法に基づき届出が必要となります。(ただし建築確認を伴う建築工事により設置する場合には不要です)
根拠法令:浄化槽法
浄化槽設置届では何を届け出る?
浄化槽設置の届出を行う際には、着工予定日から10日以上前に届け出なければなりません。

届け出る際には、浄化槽設置届出書のほか、以下のような書類の添付が求められます(自治体により異なります)。
・浄化槽概要書
・付近の見取り図
・建物の平面図(各階平面図)
・給排水系統図
・放流経路、放流先等を記載した書類
・浄化槽の構造図及び仕様書
などです。概ね排水に問題がないこと、浄化槽の性能が確認できる書類などが必要になります。
届出をするのは「浄化槽設置者」とされており、通常は浄化槽管理者(=建物所有者)と解されます。
使用開始後にも届出が必要
浄化槽の使用を開始した際にも届出が必要です。具体的には、使用開始の日から30日以内に「浄化槽使用開始報告書」を提出することになります。なお、休止や使用廃止といった際にも都度届け出る必要があるため、忘れないよう注意が必要です。
なぜ届出が必要か
以上のように浄化槽に関しては逐一届出が必要になっており、煩雑な印象を受けます。後述しますが点検や清掃といった管理も義務付けられており、公共下水道が整った物件に比べて、手間がかかるのは間違いありません。
ところでなぜこのような届出が必要なのでしょうか。浄化槽はいわゆる汚水を処理する設備ですが、その管理は所有者に委ねられることになります。適切に維持管理されなければ所有者のみならず、近隣住民やその処理水系にまで影響が及ぶこととなり、公衆衛生が害されてしまいます。
そのため浄化槽の所有者や使用状況を都度把握し、適切な管理がなされていない浄化槽に関してはその所有者に点検や清掃などを促せる仕組み(=届出制)を作り、私たちの生活環境を守っているというところでしょう。
浄化槽の管理(点検と清掃)について

浄化槽の届出制について把握したところで、実際に使用している際の維持管理についても知っておきましょう。法定検査・保守点検・清掃の3つが必要です。
なお、これらの維持管理は管理者が都度手配する必要のあるものです(行政が勝手に手配してくれるものではありません)。よって管理者がコストを負担することになります。
法定検査
年1回、指定検査機関の行う水質に関する検査を受けなければなりません。これは浄化槽法11条に定められた検査であることから、11条検査と呼ばれます。
なお、浄化槽の入れ替えや設置を行った場合には、使用を開始してから4か月目から8か月の間に、指定検査機関による設置状況の確認と水質検査を受けなければなりません。これを7条検査と呼ばれます。
なお、指定検査機関については各都道府県のHP等で調べることができます。
費用目安:10,000円~30,000円
保守点検
法定検査とは別に、定期的な保守点検(=メンテナンス)も必要になります。
点検頻度は浄化槽の人槽や処理方式等によって決まっており、水の流れ方やモーター等の点検・修理、消毒薬の補充や害虫の駆除など、浄化槽の維持管理に必要な点検と保守を行います。
点検は都道府県(又は市区町村)の登録を受けた業者に依頼が必要です。こちらも各都道府県のHP等で調べられます。
費用目安:5,000円~20,000円
清掃
浄化槽を使用していると、汚泥が溜まって浄化槽の機能が低下していきます。放置すると汚物の流出や悪臭等の原因となってしまうため、年1回以上の汲み取り清掃が求められます。
清掃については市区町村の許可を受けた浄化槽清掃業者が行います。通常市区町村のHP等で案内されています。
費用目安:20,000円~30,000円

