【都市計画法】民泊・貸別荘が開業できない用途地域は?

このページでわかること
・用途地域って何?
・どの用途地域にあると貸別荘が開業できないの?
・民泊でも用途地域の制限を受けるの?
・用途地域の調べ方

旅館業は日本全国どこでも開業できるというわけでありません。

こちらのページでも解説した通り、「都市計画法」という法律により、日本の土地には都市計画区域という区域区分が定められています。都市計画区域は、秩序ある街づくりのために国や都道府県が定める区域区分です。

用途地域とは

都市計画区域内の市街化区域(+非線引き区域の一部地域)には、更に用途地域という地域地区が定められます。用途地域とは、計画的に街づくりをするため、このエリアは主にこういった建物を建てていこう!と決められた地域のことで、例えばこの地域には住宅系のみを建築して、人々が快適に暮らせるエリアにしよう、といった具合です。

用途地域には以下の13種類あり、その区分によって建築できる建物の用途や規模が異なります

~用途地域一覧~
①第一種低層住居専用地域
②第二種低層住居専用地域
③第一種中高層住居専用地域
④第二種中高層住居専用地域
⑤第一種住居地域
⑥第二種住居地域
⑦田園住居地域
⑧準住居地域
⑨近隣商業地域
⑩商業地域
⑪準工業地域
⑫工業地域
⑬工業専用地域

漢字ばかりで見るのも嫌になりそうですが、よくよく文字を見てみるとなんとなく意味を読み取ることができそうじゃないですか?(そんなことない?(笑))

例えば、①第一種低層住居専用地域は、「低層」の「住居」の「専用」の地域という名の通り、きっと低い住宅専用の地域で、高層マンションやショッピングモールは建てることができないであろうと想像できます。

民泊・貸別荘が開業できない用途地域は?

出典:東京都都市整備局より

こちらの文字の小さな表にある通り、建築物の用途によって細かく建てられる・建てられないが決まっています。中段から少し上を見ると、「ホテル・旅館」という項目行があり、半分ほどの項目に「×」がついているのがわかります。

この「×」がついている地域が旅館業の開業できない地域ということです。

具体的な用途地域名は以下の通りで、この用途地域にはホテル・旅館は建てられない=営業許可の取得はできないということになります。

ちなみに貸別荘を営業する場合、旅館業法の営業許可を取得するか、住宅宿泊事業法の民泊として届出するか、基本はこのどちらかを選ぶことになります。

旅館業の営業許可を取得する場合、旅館業法上の「簡易宿所」という営業許可を取得する必要があるのですが、この営業許可の申請のためには建物の用途が「旅館業用途」である必要があるのです。つまり建物用途としては宿泊施設になるので、ホテル・旅館の建設ができない地域では同様に建設不可ということになります。

~旅館業用途の建物の建設ができない用途地域~
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・第一種住居地域 ※3,000㎡を上回る建築物が不可
・田園住居地域
・工業地域
・工業専用地域

しかし、住宅宿泊事業法上の届出を行って営業をする場合、建物用途は「住宅」である必要があるので、旅館業ではこうした都市計画法の用途地域の制限を受ける地域でも営業が可能になります。つまり、これらの用途地域に所在しているからといって必ずしも貸別荘を営業できないかというとそういうわけではありません。

ただし、民泊の場合でも、県や市の条例で用途地域によって営業日や営業時間の制限を設けている場合があるため、事前に行政の管轄課へ問い合わせることは必須です。

用途地域の調べ方

ネットに掲載されている物件の場合、「用途地域」は以下の画像のように基本的に物件概要欄に記載されているので、気になった物件はまずここを確認すると良いでしょう。

用途地域マップ

用途地域は以下のサイトでも調べることができます。

都道府県別の用途地域マップ

使い方はとても簡単で、上記のページを開いたら該当の都道府県→市町村と選択を続けるとそのエリアの地図に用途地域が色分けした状態で表示されます。地図上で該当場所を探しましょう。

市町村がグレーがけになっていて選択できない状態の場合、その市町村は全域が都市計画区域外で、用途地域の存在しないエリアということです。

自治体のHPを確認

用途地域マップでは、一部情報が古い場合などもあります。都道府県や市町村によっては自治体のHPに地理情報システムなど用途地域のわかるシステムが一般に公開されていたり、都市計画図や用途地域のマップを掲出している場合もあります。

そのため、「〇〇市 都市計画図」といったように管轄自治体のHPを調べてみるのもよいでしょう。

自治体の担当窓口へ電話

一番確実なのは役所に電話することです。所在地の住所を伝えると、調べてもらえるので確実な情報が得られます。自治体によってその管轄窓口は異なりますが、建設課、都市計画課といった名称であることが多いです。

「〇〇市 都市計画区域」で調べれば該当窓口の記載のあるページへたどり着けると思います。

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