自然公園法は何のための法律なのか?目的や区域の種類、規制内容についてのまとめ

このページでわかること
・自然公園法って何を目的とした法律なの?
・どんなことを規制している法律なの?

民泊や貸別荘開業のための物件を探していると、法令関係の項目に自然公園法の文字を見かけることがあります。

特に貸別荘などを考えている場合、できるだけ自然豊かな地域で、と考えて山の方で物件を見ている方もいると思いますが、こうした地域では頻繁に見かける傾向にあります。

しかしながら、その「公園」という文字からは法律としての想像がしづらく、何のための法律なのかわかりにくいのではないでしょうか。また、いざ法律について調べてみても、内容がなかなかに込み入っているので、いまいち何がどう規制される法律なのかよくわからないですよね。

そこで、このページでは、自然公園法についてまとめました。

自然公園法は日本の自然を守るためにある

自然公園法は日本の豊かな自然や景色を好き勝手にされないよう守るための法律です。自然公園というエリアを指定し、その保全優先度の度合いを定めることで、開発行為等に規制をかけ、日本の風景地を保護していこうというのが自然公園法の目的になります。

事業者等の開発行為や営業行為に規制をかけ、許可した行為のみ可能とすることで、自然の秩序を守ります。

開発行為というと、例えば開発行為を規制する都市計画法などと混同していしまうのですが、都市計画法は街の発展の秩序を守るための法律である一方、自然公園法の場合は自然を守ることが趣旨となっており、その目的が異なります。

それゆえ、規制される行為内容も異なっており、例えば自然公園内では指定植物の採取が規制される区域などもあります。性質が全く異なりますから、当然都市計画法の開発許可を受けていれば自然公園法も自動的に許可されるかというとそんなことはなくて、こっちはこっちで要件を満たして許可を取っていかなければならないというのが大変なところです。

参考:国立公園における届出・申請(環境省)

どんな場所で規制がかかる?

自然公園法は国や都道府県が指定した区域内で適用される法律です。その区域とは主に、国が定める「国立公園」「国定公園」そして都道府県が定める「都道府県立自然公園」の3種類があります。

それぞれは更に「特別保護地区」「第1種特別地域」「第2種特別地域」「第3種特別地域」「普通地域」に区分され、規制の厳しさが段階的に分かれています。

地域名どんなエリアか?行政手続き
特別保護地区景観の現状維持を原則とする地域許可
第1種特別地域現在の景観を極力維持する地域許可
第2種特別地域農林漁業との調和を図りながら自然景観の保護に努める地域許可
第3種特別地域特別地域の中では風致を維持する必要が比較的低い地域許可
普通地域特別地域と一体的に風景の保護を図ることが必要な地域届出

ざっくりしたイメージとしては、上の地域ほど規制は厳しく、下の地域ほど規制は緩和するといった感じです。

大きな違いは特別保護地区および特別地域は許可が必要なところ、普通地域は届出というところです。

許可と届出の違いについてはこちらを参考にしてください。

自然公園の範囲については、「都道府県名+自然公園法」などで検索すると、都道府県の公表しているマップなどで確認することが可能です。

どんな行為に規制がかかるの?

特別地域については自然公園法第20条、特別保護地区については自然公園法第21条に詳細な内容は定められています。

環境省が公表している許可基準の概要から、ざっくりいうと、例えば以下のような行為が規制対象となっています。

・建築物の新築
・車道の新築
・工作物の新築
・土地の形状変更
・木竹の伐採

特別保護地区では原則すべての行為が不可とされています。また、第1種特別地域についても原則不可となっています。

第2種特別地域、第3種特別地域については許可基準があり、協議・申請の上、基準を満たした行為について許可されます。詳しくはこちらを参照ください。

普通地域については自然公園法第33条にその届出が必要となる行為内容が定められており、例えば工作物の新築・増改築や広告物の設置、土地の形状変更などが該当します。

根拠法令

根拠法令:自然公園法

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