
このページでは、そもそも宿泊税とは何か、民泊(簡易宿所・住宅宿泊事業)は課税対象なのかを自治体事例を用いながらわかりやすく解説します
宿泊税は全国一律の税ではなく、地方自治体が条例で定める地方税の一種です。したがって「宿泊税が課されるか」は自治体ごとに異なります。
近年は簡易宿所(旅館業)や住宅宿泊事業(いわゆる民泊)での宿泊を宿泊税の課税対象に含める自治体が増えており、実務上は民泊でも宿泊税が課されることが多くなっています(自治体ごとの条例に従ってください)。
宿泊税とは?その目的と制度について
宿泊税は地方自治体(都道府県・市区町村)が条例で設ける地方税です。観光振興や地域の受入環境整備のための財源確保が主な目的で、全国一律の税ではありません。導入するか否か、税率、課税対象などは各自治体が条例で決めます。
そのため「宿泊税があるか」を確認するには、対象となる自治体(都道府県・市区町村)のホームページや条例を確認する必要があります。導入済みの自治体は、大都市圏を中心に年々増えています。
宿泊税の一般的な税率イメージ
税率の決め方は自治体ごとに異なります。一人1泊あたりの定額型が最も一般的で、宿泊料金帯に応じた段階税率を採る自治体が多いです。
- 東京都:一人1泊あたりの宿泊料金が一定額未満は非課税、一定額以上は100円〜200円程度(改定・見直し案あり)。(参考:東京都主税局)
- 大阪府:宿泊料金帯に応じて200〜500円など段階設定(2025年以降の改定あり)。住宅宿泊事業や特区民泊も明示的に課税対象に含めています。(参考:大阪府公式ホームページ)
- 京都市:従来は小〜中規模の税率帯だったが、負担能力に応じた見直しが進んでおり、改定後は幅の広い段階税率(数百円〜数千円、上位は高額)となる予定。(参考:京都市公式ホームページ)
「宿泊料金」に何を含めるか(素泊まり料金のみか、清掃料金を含むか等)は条例や運用指針で定義が分かれます。必須の清掃費は宿泊料金に含めると判断される自治体が多い点に注意です。
徴収・納付方法について
多くの自治体では、宿泊事業者が宿泊者から宿泊税を徴収し、一定期間ごとに自治体へ納付(特別徴収制度)する方式を採っています。
徴収のタイミングは通常チェックイン時(またはチェックアウト時)。宿泊料金と別建てで提示する場合が多いです。
民泊(簡易宿所・住宅宿泊事業)は宿泊税の対象か?
多くの自治体が条例で「簡易宿所」「住宅宿泊事業(民泊届出)」を宿泊税の課税対象に含めていますが、対象となるかは自治体次第です。 これまで民泊は課税対象でなかった場合も、制度改正で課税対象となることもあるので、最新情報の確認が必要です。
大阪府—住宅宿泊事業も対象
大阪府の案内では、簡易宿所・住宅宿泊事業に係る施設も課税対象として明確に記載されています。税率は宿泊料金帯に応じて段階的に設定されています。大阪府は特に民泊を課税対象に含める方針がはっきりしている例です。(参考:大阪府公式ホームページ)
京都市—違法民泊も含めて課税する運用
京都市の案内では、旅館業・住宅宿泊事業の有無にかかわらず宿泊行為自体が課税対象であり、届出のないいわゆる違法民泊の宿泊者にも課税する旨が明記されています。観光需要の高い京都では宿泊税の取り扱いが厳格です。(参考:京都市公式ホームページ)
東京都—ホテル・旅館が中心だが運用見直しの動きあり
東京都は従来ホテル・旅館が対象でしたが、制度の見直しで簡易宿所や民泊を宿泊税の対象に含める見直し案が提示されています。東京都主税局は徴収方法・電子申告の導入など制度運用の変更も進めていますので、都内で民泊を運営する場合は主税局の最新情報を確認することが重要です。(参考:東京都主税局)
北海道・地方都市の動き(導入拡大の傾向)
札幌市や道内の自治体でも宿泊税の導入検討が進んでおり、ニセコや倶知安など観光地では導入が相次いでいる点は留意が必要です(導入済み自治体・導入予定自治体が増加)。北海道庁の案内などで、簡易宿所や住宅宿泊事業を課税対象にするケースがあることが示されています。
民泊にも宿泊税を賦課する自治体が増えている背景
宿泊税の導入を検討する自治体が増加している背景として、近年の観光需要の増加に伴い、受入環境整備、観光案内、清掃・治安対策等のインフラ整備のための安定財源確保の必要性が高まっていることが挙げられます。
加えて、民泊市場が拡大しており、公平性の観点から従来の宿泊施設と同等に民泊についても税負担が求められていることが、民泊を含めた宿泊施設を課税対象とする自治体が増加しています。
まとめ
宿泊税は自治体ごとに決まる地方税で、民泊も対象である自治体が多いです。また、制度改正が発生する分野のため、事業開始当初は宿泊税がない地域でも今後宿泊税が導入される可能性もあるので、自治体の最新情報をチェックすることが大切です。
事業者にとっては徴収・納付対応や料金表示の整備など、実務面での対応が必要であり、事務負担も大きくなります。常に情報収集を行い、柔軟に対応できるよう体制を整えておくことが求められます。

